初心者のピアノの上達方法は?
大きなテーマですね。「上達」と一言で言ってもその方法は個人によって千差万別です。
が、どなたにも共通して言えるのは「練習」が必要だということです。
できれば毎日。
毎日って大変ですか?
でも、「毎日の人の行動の40%は「その場の決定」ではなく「習慣」によって決められている」と、言われています。
ならば、まずは「習慣」を味方につけてしまいましょう!
もくじ
「習慣」とは
「習慣」を広辞苑で調べると、二番目にこうあります。
「後天的に習得し、比較的固定して、少ない努力で反復できる行動様式。」
これをピアノの練習に置き換えて、少しふくらませるとこうなります。
「毎日練習するという生活スタイルを作ることにより、意志や根性に頼らずに、毎日自然とピアノに向かってしまう、という状態。歯磨きや入浴と同じように、しないと気持ち悪いという感覚。」
どうでしょう?こうなればこっちのものですね!
「そうは言ってもその習慣がなかなかつくれないのよ。」と思っている方、ぜひこの記事を最後までお読み下さい。きっとお役に立てると思います。
習慣化するための5つのポイント
習慣を作ることを「習慣化する」と言います。
「習慣化」はやる気に頼ってはいけません。なぜなら、やる気(モチベーション)は上がれば必ず下がるものだからです。「根性」もあまり役に立ちません。なぜなら人の脳はは変化を嫌うからです。「新たな習慣を作る」という変化を脳は好みません。
ではどうしたら「ピアノの練習を日常生活に取り入れる」という新しい習慣を作ることができるのでしょうか。
「習慣化」にはコツがあります。
ここでは習慣化するに有効な5つのポイントをご紹介したいと思います。
1.習慣化するために必要な期間を知る
2.一つの習慣から小さく始める
3.日常の習慣とセットにする(アクション・トリガーの設定)
4.記録をつける(習慣トラッカー)
5.仲間を作る
では、それぞれのポイントについて解説していきます。
1.習慣化するために必要な期間を知る
マラソンを始める時に、ゴールまでの距離を知らずに走り出すことはできませんよね。あとどのくらいか、分かっているから途中苦しくても、頑張れるのです。いつ終わるかわからないのに、延々と走りつづけることは普通はできません。
では、新しい行動を習慣化するに必要な期間はどのくらいなのでしょうか?
習慣化に必要な期間は、習慣化したい事柄によって違います。
『30日で人生を変える「続ける」習慣』の著者である古川武士氏はその本の中で、習慣化に要する期間の目安を、次のように紹介しています。
レベル1 行動習慣(勉強、日記、片付けなど)→1ヶ月
レベル2 身体習慣(ダイエット、運動、早起き、禁煙など)→3ヶ月
レベル3 思考習慣(論理的思考力、発想力、ストレス発散思考など)→6ヶ月
ピアノの練習はレベル2に相当すると考えられますので、習慣化するに要する期間はおよそ3ヶ月ということになります。
ちなみに、「3ヶ月」を長いと感じる方は、「たった3ヶ月か!カンタンだ!」と声に出して言いましょう!
ポジティブに取り組むことが大切です。
2.一つの習慣から小さく始める
ピアノの練習を習慣化しようと思っている時に、他の事も並行して習慣化しようとしてはいけません。
また、大きすぎる目標設定も、挫折の原因になります。
もし初心者であるなら、まずは5分からスタートしましょう。
「え?たったの5分?」
と思われましたか?
いいんです。小さすぎる目標設定が成功の秘訣です。
小さい目標を一日、一日クリアして成功体験を積み重ね、自己肯定感を高めることが大切です。
3.日常の習慣とセットにする(アクション・トリガーの設定)
歯磨きや食事の時間は決まっている方が多いと思います。
そのように時間の決まっている日常の習慣と、ピアノの練習をセットにしてしまいましょう。
これをアクション・トリガーと言います。
アクション・トリガーとは、行動の引き金のことです。
例えば朝の歯磨きのあと、あるいは夕食のまえに練習する、と決めます。
すると、既に習慣化している歯磨きや食事が引き金となり、今日はいつ練習しようかと悩まず行動できる、というわけです。
また、その時の感情や事情にも左右されることが少なくなります。
アクション・トリガーが習慣化に有効だということは1997年のニューヨーク大学の研究で証明済みです。
「いつ、どこでレポートを書くかというアクション・トリガーを書き出した大学生のグループは、それをしなかったグループに比べて課題の達成率が2~3倍にもなった」と報告されています。
だったらこれを取り入れない手はありませんね!
4.記録をつける(習慣トラッカー)
小学生の時に、夏休みのラジオ体操を経験した方は「出席カード」を覚えていらっしゃるでしょう。朝のラジオ体操に参加すると、スタンプを押してもらえるあれです。
それと同じように記録をつけましょう。
旅行で参加できなかったり、寝坊したりした日のスペースが空いてしまうのが、嫌だった記憶はありませんか?
同じように、印がない日を作りたくなくて頑張れるはずです。
カレンダーにマルをつけたり、かわいいシールを貼ったりしても良いです。
また、習慣化したいことができたかどうかをチェックする、「習慣トラッカー」というシートを利用するのも一つの方法です。検索すると、たくさんの無料テンプレートが出てきます。
ただし、習慣トラッカーは大抵沢山の項目を書く欄があるので、一つだけの習慣を記録するにはスペースの無駄があります。工夫して使いましょう。
記録媒体を決めたら、毎日目にする場所に置きます。
5.仲間を作る
もしできるなら仲間を作り、一緒に取り組むのも習慣化に効果的です。
筑波大学大学院体育科学研究科、横山典子氏らが、個人運動のみのグループと、集団運動を取り入れたグループを比べて「中高年の運動の習慣化」について調査したところ、「集団運動を取り入れたグループの方が習慣化の成功率が高かった」としています。
同じ目的の友人同士、励まし合えば頑張れますよね。
みんなでチャレンジすることで三日坊主を防ぐ、という「みんチャレ」https://minchalle.com というアプリもあります。
週間アスキーの記事によれば、「通常新しい習慣を身に着けようとチャレンジしたときの成功率は8%、「みんチャレ」を使うと8倍の69%の成功率にもなる」そうです。
同じ目標をもつ友人がいない場合は、このアプリはきっと役に立ちますね!
一番大切なこと
ここまで「習慣化」にための5つのポイントについて解説してきました。これらのポイントは、それぞれ成果が報告されているものです。ですからこれらを踏まえてスタートすれば、あなたもきっと成果を上げることができるでしょう。
最後に一番大切なことをお伝えします。
「必ず習慣化できる」
と信じることです。
仮に、今まで何もかも三日坊主だったとしても関係ありません。
すっかりピアノの練習が習慣になって、練習が楽しすぎて仕方がない自分を想像しましょう。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますよね。
きっと「楽しい→好き→上手!」の構図ができるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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