ピアノ初心者のための練習方法をご紹介したいと思います。
ただやみくもに時間をかけて練習するのではなく、効率的に練習し効果を上げる方法です。
当たり前のやり方のようで、なかなか全てを実践している方は少ないと思います。
逆によくありがちなのが、『最初から最後まで何度も弾く』という方法です。
この練習方法ですと、仮にうまく弾けないところがある場合『間違える箇所をなんども間違える』ということになります。つまり、『間違える練習』をしているようなものなのです。
弾けば弾くほど弾けなくなってしまいます!
ですが、これからご紹介するアプローチで練習すれば、短時間で良い成果があげられるはずです。
○○しながら弾く
皆さん、はじめは片手ずつ弾いていらっしゃいますよね。それができたら、歌いながら弾いてみましょう。
例えば、左手だけ弾くとします。その時、右手のメロディを歌いながら弾くのです。きちんと音程が取れていなくてもOK。ドレミで歌えなければタタターでもOK。リズムが正しければ良いです。
「歌いながら弾くって両手で弾くより難しいんじゃない?」って思いました?
何度か試してみてください。意外に出来ると思います。
そして、そこそこ楽に歌いながら弾けたら、両手で弾けるようになるのはあっという間です。
右手を弾く場合は、左のパートを歌うのは難しいので、左手で左のリズムを取ります。
ゆっくり左手でリズムをたたきながら右手のメロディを弾きます。
○○して練習する
まだ全体的にスラスラ弾けていない段階の時は、曲をこまかく分割して練習しましょう。
例えばごく簡単な下の楽譜を例にとってみます。
先ずAとBの右手をまず弾けるようにします。
次にAとBの左手を弾き、出来たら両手で弾きます。
次は、CとDを同じように練習し、出来たらAからつなげて弾きます。
後半4小節も同様に練習し、最後に始めからつなげてみましょう。
このとき、ゆっくり弾くことが大切です。
○○でゆっくり弾く
よく弾けていないところがあっても速く弾いてしまう場合があります。
その曲の完成の速度が頭にあるために、ゆっくり弾こうと思っても出来ないのです。
その場合は、メトロノームでゆっくりのテンポを出してみてください。
例えば今、四分音符=80くらいのテンポで弾いているなら、思い切って60くらいに設定し、そのテンポで最初のワンフレーズを歌ってみます。
歌いにくいと思いますよ。
でも、それが出来たらこっちのもの! 歌えればたいてい弾けます。
こんどは同じ60で弾いてみましょう。
うまく弾けなかったら、片手ずつ弾いてみてください。
片手ずつゆっくりのテンポで弾けたら、もう一度両手でゆっくり弾くことにチャレンジしてみましょう。
両手でゆっくり、止まらずに弾けたら少しずつテンポを上げていきます。
ミスの少ない安定した演奏になるはずです。
○○のところから弾く
毎回曲の始めから弾いていませんか?
通して弾いた時にいつも間違えたり止まったりするところがあったら、そこから弾いてみましょう。
少し戻って弾きやすいところから始めても良いです。でも、何小節も戻らないようにしてください。
片手ずつゆっくり間違えずに弾けるまで練習します。
それが出来たら、ゆっくり一定のテンポで両手で弾きます。
もし間違えたら、もっとテンポを遅くするか、片手の練習に戻ります。
両手でゆっくり間違えずに弾けたら、同じテンポで3回連続で間違えずに弾けるようにします。
それが出来たら、少しテンポを上げてまた3回連続で間違えずに弾けるように練習します。
こうして弾きたいテンポに少しずつ近づけます。
時々少し前に戻って、今まで弾けていた部分と、間違えやすかった部分が流れよくつながるか弾いてみます。
○○をもって練習する
初めて楽譜を見て弾く段階から、イメージをもって練習しましょう。
決してパソコンのキーボードを叩くように、音だけを追って弾いてはいけません。
上手くイメージ出来ない時は、CDなどの音源を聴くことも良いと思います。
両手で弾いたときの響きによく耳を傾けて下さい。よく聴くためにはやはりゆっくり弾くことが大切です。
そして、自分の音を楽しみながら練習すると良いですね。
まとめ
ここまでピアノの練習の5つのコツについて解説してきました。
1.歌いながら弾く
2.分割して練習する
3.メトロノームを使う
4.間違えるところから弾く
5.イメージをもって練習する
これらの練習は、それぞれ独立しているものと考えずに、例えば1と4をミックスするなどしてもよいです。
また、この『ピアノ練習法5つのコツ』の共通のポイントは、ゆっくり弾くことです。
難しいところ、弾けていないところほど速くなりがちなので、練習の時はゆっくり丁寧に弾くことを心がけましょう。
そして最後に。
ピアノの練習をするというと、よく指が動くようにするということを思い浮かべがちですが、実は指の動きより耳を働かせることのほうが大切だったりします。
左右の音のバランスや、強弱、旋律の歌い方などよく聴くことを心がけて練習しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これをお読み下さいました皆様の、練習のお役にたてますように。
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